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ぶろぐ

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6年前に受けた相続税の申告のクライアント、平成17年に二次相続が発生し、再びお手伝いすることになった。 が、もう1年以上経過するというのに、未だ遺産分割がまとまっていない。 もめていると言うよりは、気乗りがせずに重い腰が上がらないといった様子である。

当時のことは良く覚えている。一次相続当時の相続人は、年齢順に配偶者と長女・次女・長男の4名。私との窓口は末っ子長男であった。考えに考え抜いて提案する長男の遺産分割案に、二人の姉が次々に異議を唱える。

末っ子長男は親の所有する敷地内に自宅を建て、地代の支払いもなく生活ができている訳で、そういう意味ではかなりの恩恵を受けているといえる。 が、隣家に年老いた両親を抱え、自分が面倒を見ているという自負もある。 そんな彼から出て来る分割案は、どうしても「家を継ぐ」とか「親の財産を守る」といった色彩が強く、その担い手に唯一の男である自分が手を挙げることとなる。

一方の2人の姉は、日頃から親の面倒を見ている訳ではないため、そんな弟の気持は全く理解できない。 諸子均分相続の現行民法を地で行くことになる。 また、それぞれ家庭の事情を抱え、できることなら少しでも多くの財産を相続したいと考える。 「お父さんが枕元で私にくれると約束してくれた」というような話をそのまま聞いていると、今ある財産だけでは足らなくなる。 そりゃそうだ。 体の弱ったお年寄りからしてみれば、長男一家に面倒を見てもらっているとは言え、寂しさには変わりはなく、時たま顔を見せる娘たちについついいい話をしてしまうんだろう。

税金がどうのこうのではなく、一次相続の時は大変だった。 双方の言い分はよく判るが、どちらが正しいという判断はできない。 税理士としての私のポジショニングも難しく、発言一つ一つに随分と気を使ったものだった。

あれから4年が経ち、今度は母親が亡くなって、再びバトル再開と思いきや、それぞれ苦い経験を忘れられないのか、ほぼ均等に分ける方法ですんなりまとまりそうである。 形見分けの際に旅行用のスーツケースで実家を訪れる姉たちと、それを許せない嫁から離婚話まで持ち出される末っ子長男のわだかまりは解けることはないが、精神的な痛手を二度と負いたくないという気持だけは共通のように見えた。
 
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